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[騒音] ピアノ・ペット・泣き声 〜トラブルの基準や対策 〜

[騒音] ピアノ・ペット・泣き声 〜トラブルの基準や対策 〜

ご近所トラブルには、タバコなどの臭いが原因のものや
駐車・駐輪、ゴミ出しなどさまざまなものがありますが
圧倒的に数が多いのが「生活音による騒音トラブル」です。

今回は、身近な生活音・騒音問題について
解決方法や対策をまとめました。

 


目次

1. 被害者にも加害者にもなりうる
2. 騒音による事件
3. 解決の方法
4. 騒音となる基準値
5. 騒音対策
6. さいごに 〜子どもの騒音〜


 


1. 被害者にも加害者にもなりうる

生活騒音についての規制はない

小鳥のさえずりに目覚め、カラスが鳴くから帰路につき、寺の鐘で時刻を知るー

そんな牧歌的な時代はとうの昔に終わり、
現代の日本人は過密な住環境のなかにあって
たくさんの生活音、人工音とともに暮らしています。

そのような時代の変化にあわせ、
工場や会社・お店など、事業や生産活動にともなって発生し
広範囲に影響する騒音については、法律や条例で規制されています。

その一方、日常生活や家庭の中で発生する
「生活騒音」については、法律では規制されていません。
理由として、人の日常生活に一律的な規制で制限を加えることの難しさが挙げられています。

※市区町村によっては条例で生活騒音への配慮を定めている場合があります。


「となりから聞こえるピアノの音、うるさいな」
「ペットの鳴き声がして、眠れない」
「夫婦喧嘩の声が耳に触る」

こんな風に、非常にありふれた音が不快感やストレスを生み出し
多くの人が被害者、ときには加害者にもなり得るのが「生活騒音」です。

 

2. 騒音による事件

相手がどんな人で、何を不快に思うかは分からない

ピアノ騒音事件

日本で最初の騒音事件として有名なのが
神奈川県で
起きた「ピアノ騒音事件」です。

1974年8月、県営団地に住む加害者は
下の階から聞こえるピアノの音に殺意を抱き
夫不在時に母と娘の3人を刺殺してしまいました。

この加害者においては精神障害が認められており
この事件以前にも被害者への文句や嫌がらせのような行動があった上で、
結果的に殺人にまで至るきっかけとなったのが「ピアノの音」でした。


女子大生殺人事件

また、2021年には大阪府大東市でも、
音によるトラブルで殺人事件が起きています。

マンションに住む48歳の男性が上階の女子大生を刺し、
さらに放火によって加害者は自身も一酸化炭素中毒で死亡しています。

事件後、加害者の親族から「ここ5年ほど、生活音に対して敏感になっていた」と証言があり、
加害者男性の隣に住んでいた男性が「大きな音を出した覚えはないのに、
玄関や壁を何回もたたかれた」ことに恐怖し引越ししていたことも判明しました。

心のバランスを崩した人が些細な音でも敏感に反応してしまい、被害妄想をつのらせる。
その末に、極端な行動に出てしまった。

上記の2つの事件からは、そのような背景が推察されます。

 

被害者にとっては「普通の音」でも、加害者にとっては「我慢できない音」

相手の心理状態は、こちらには分からないからこそ、
このようなことを防ぐにはどうしたらいいのかも考えておきたいものです。

 

3. 解決の方法

日頃の備え

生活騒音は、人の活動に伴って発生するものなので
無くすことはできません。

だからこそ、一人ひとりが普段から心がけ
注意することが大事になってきますが
特にマンションや団地など隣近所が近い住宅においては、
共有のルールを作り一定の基準を示しておくことが、トラブルの未然の備えとなります。


トラブルに発展しそうな場合

以下のような方法で、慎重に対策するようにしましょう。

市区町村に相談する
市役所などの公害苦情相談窓口へ相談しましょう。
 
相談員が内容に応じて被害の実情等を調べ指導や助言などをしてくれます。

管理会社に相談する
まずは管理会社に相談することで、
エレベーターへの張り紙設置などの対応が期待できます。
ただし、住民同士の仲裁などは業務外として断られることがあります。

管理組合へ相談する
住民同士で運営している管理組合を通すことで、
他の住民を第三者として介在することができます。
当事者同士で話すよりも、より冷静な話し合いが期待できます。

当事者間で話し合う
相手が知り合い同士で、建設的な話し合いができそうなのであれば
当事者同士での解決が一番スマートではあります。

警察や弁護士に相談する
警察の場合は、警察官による注意を行ってもらうことができます。
弁護士の場合は、民事調停によって穏便にトラブルを解決することも
期待できます。


いずれの場合でも、騒音の証拠は必要となるでしょう。
騒音の状況を騒音計で測り、記録しておくと
話し合いの時に役立ちます。


 


4. 騒音となる基準値

測定は騒音を受け取る場所で行う

音の大きさは「デシベル」という単位で表示されます。
環境省では生活音が「騒音」とならないための基準を設けています。

住宅地において、昼間が55デシベル以下、夜間が45デシベル以下

これ以上になれば「騒音」と呼ぶことになります。

※この基準は、あくまでも住宅地におけるもので、
商業地・工場地であれば基準値はあがります。
逆に福祉施設が近接する場所であれば基準値は下がり
より小さな音でも「騒音」基準をオーバーすることになります。

この基準値を超えているかどうかは
騒音の発生源で調べるのではなく、
騒音と感じる場所で調べることになります。

つまり、隣の家のペットの声がうるさく感じる場合、
自分の家のなかでその音が一番うるさく感じる場所で、
一定の測定方法に基づき平均値を測ります。

ちなみに、日常生活の音を発生源で測定すると、騒音基準を超えるものがほとんどです。

 

 

5. 騒音対策


音の伝わり方について

音がどのような伝わり方をするかを知っておく事で
対策に役立てる事ができます。

 

反射
音は空気中をすすみ、壁にあたると一部が空気中へはねかえされます。これを反射といいます。

吸音
音は反射をしながら、一部は壁の中に侵入します。これを吸音といいます。

透過
壁の中に侵入した音の中で、一部は反対側へ抜けていきます。これを透過といいます。

側路伝搬
建具や壁のすきまから天井裏を通じて、隣室に音が伝わること。


 

音の発生源と時間

自分の生活音にはどんなものがあるかを見返し、
騒音にならないような時間や頻度を考えてみましょう。

家庭用機器からの騒音
冷蔵庫、洗濯機、乾燥機、掃除機など

家庭用設備、住宅構造からの騒音
空調機、お風呂、トイレの給排水、ドアの開閉など

音響機器からの音
ピアノ、ステレオ、テレビなど

生活行動に伴う音
話し声、泣き声、笑い声、飛び跳ねる音など

その他
自動車、オートバイの空ぶかしの音、ペットの鳴き声など

 

 

住まいの遮音性能を高める工夫

子どもやペットの足音、楽器の使用
防音マット+カーペットの二重使用がおすすめです。

防音テープで窓の隙間からの音の伝搬を防いだり、吸音材を壁に貼るとより安心です。
フローリングは
遮音性能を「L値」で表示しますが「L-45」というものであれば安心できます。

ドアの開閉音
隙間テープをつけると開閉の音が小さくおさまります。

洗濯機の音
小さくするには、防振マットがおすすめです。
稼働時に出る大きな振動音が床に伝搬してしまうことをおさえることができます。

さらなる工夫
壁への遮音シート+吸音材のダブル使いすると、音の室内反射も防げます。
遮音性の高いカーテンも一定の効果が見込めます。


 

騒音が気にならない住まい

いくら対策や話し合いをしても改善されない場合、
やむを得ず引越しするケースも多々あります。
次の住まいでは「音」を気にしたくない...そんな時の住まい選びのポイントをご紹介します。

 

建築構造
防音性・遮音性に優れているのは「鉄筋コンクリート」です。
木造や鉄骨造の建物は音を通しやすいためおすすめできません。

立地
周囲に電車は通るのか、通学路はあるのかなど、
周辺環境をよくチェックしておきましょう。
ゴミ捨て場や横断歩道の前など、立ち話のスポットになりがちな場所もあります。

部屋の配置
賃貸や分譲マンションでは、部屋の配置もポイントです。
角地の部屋を選んだり、下階
に人がいない一階の部屋にするなど
防音、遮音に向いた部屋を探すこともできます。

壁の確認
内覧時に軽くたたいてみて、固く詰まった音がすれば「コンクリート」。
軽く響くような音がすれば「石膏ボード」の可能性が高いです。
コンクリートの方が防音性に優れています。

 

6. さいごに 〜子どもの騒音〜

近年、公園での子どもの声がうるさいという苦情によって公園が閉鎖され
ニュースに取り上げられたりしています。

保育園や公園での子どもの声は、果たして「騒音」なのでしょうか。

ドイツにおいては子どもの声は騒音ではないと法律で定められ、
保育園や公園の運営が頓挫することがないようにしています。

 

ー14歳未満の声や音は原則として有害とせず、
児童保育施設や遊戯施設での騒音規制は数値のみを基準としない

2011年法改正による「子どもの声法案」(ドイツ)

 

しかしながら、「子どもの声を特権とするわけではない。周辺施設や防音設備の有無など
個別の状況も重視する」とも解説されています。

この事は、「生活音による騒音」が、いかに公共と個人とのはざまで
ジャッジし難い問題であるか
をあらわしていると感じます。

 

今回、「生活音による騒音トラブル」について
その概要や事件、対策を取り上げましたが、
結局のところ現状では「自分の身は自分で守る」というところが肝になります。

被害者にも、加害者にもならないようにトラブルは未然に防ぎつつ、
もしもトラブルになりそうだと感じたら、
迷わず管理組合や警察・弁護士・各市区町村の窓口へ相談にいきましょう。


三和都市開発では、住宅や住環境の相談も日々承っております。
必要があれば「家の住み替え」「リフォーム」「売却」などの
サポートも万全です。
法律の専門家・弁護士との連携もありますので
ぜひお気軽にお問合せください。
 


 

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