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三和都市開発の不動産売却ブログ

税理士による「タワマン節税」封鎖のいきさつと新ルール解説

タワマン節税は終焉をむかえました。
本記事では、そのいきさつと今後の対策を
税理士視点で解説しています。


目次
1. 税理士業界に激震「まさか」の裁決
2. タワマン節税封鎖の新ルール
3. 今後は税理士×不動産会社のタッグが不可欠


 

1. 税理士業界に激震「まさか」の裁決

“まさか”の坂

先日、安倍元総理の銃撃事件から
丸1年を迎えたとの報道がありました。

人生には3つの坂(上り坂・下り坂・まさか)があると言われますが、
2022年に起きたこの事件は、全国に衝撃が走った
“まさか”の坂であったといえるでしょう。

 

実は同じく2022年に、税理士業界を激震した

“まさか”の裁決事例が公表されました。

東京の資産家の相続税申告手続きに際し、
タワマンを相続税評価額で申告したら
否認されてしまったという裁決だったのです。

どんな相続税対策が最高裁で問題視されたのか?
概要は以下の通りです。

 


● 父が亡くなる3年前にタワマンを購入

● 銀行借入でタワマン2棟購入

⇒ 購入時期:相続発生3年前
⇒ 取得価額:13.8億円

● 相続税申告での評価額は買った値段の4分の1程度
⇒ 路線価評価額 3.3億円
⇒ 債務控除(銀行借入あり)
⇒ 相続税額ゼロ

● 子は相続発生後の9ヶ月後にほぼ買った値段で売却
⇒ 売却価額:取得価額と近似




ついに抜かれた
税務署の"伝家の宝刀"


さきほどの資産家による概要は、
すべて税法に基づく申告をされておられ、

仮想隠蔽行為など一切なし。

しかし、私(岩佐)の目には上記の資金の流れを見ると、
確かに“マネーゲーム” や“数字遊び”かのごとく
見えてしまいます。

そういう背景があり、最高裁の判決でも
「財産評価基本通達総則6項 = 税務署の“伝家の宝刀”
が認められ、「課税の公平性を著しく欠く場合には
国税庁長官の定めた価額で評価するものとする」

と認定され、以下の結果となりました。

● ビフォア → 相続税額ゼロ
● アフター → 相続税額2.4億円 + 過少申告加算税4千万円 = 計 2.8億円

ビフォアとアフターを比較すれば、まさに“天国から地獄”です。

  

 

2. タワマン節税封鎖の新ルール

高層階は増税、築浅も増税

そして、つい先日の6月30日、
国税庁は満を持して【タワマン節税封鎖の新ルール】を
発表しました。

・(A)実勢価格
・(B)相続税評価額 → (A)×40%程度

という60%程度の乖離を利用した、
従来横行の「タワマン節税」の抑止目的です。


7月1日の日経新聞には
「新ルールに基づく相続税負担額の増加」の
試算が以下のようになされていました。

 


● 築9年の43階建23階

*実勢価格 1億1,900万円
*相続税額
(ビフォア) 12万円
(アフター) 508万円

● 品川ベイエリアの築浅10階
*実勢価格 9,300万円
*相続税額
(ビフォア) ゼロ
(アフター) 190万円

● 渋谷区神宮前の築浅の低層階
*実勢価格 7,600万円
*相続税額
(ビフォア) ゼロ
(アフター) 100万円

● 目黒区東山の低層2階
*実勢価格 4,000万円
*相続税額
(ビフォア) ゼロ
(アフター) ゼロ



同じマンションでも、税額が変わらない例もあります。
つまり新ルールによって、

階数 → 高いほど増税
築年数 → 浅いほど増税

になるのです。

 


3. 今後は税理士×不動産会社のタッグが不可欠

「出過ぎた杭」タワマン節税も狙い撃ち

都市部の多くの富裕層が居住し、
高層階の眺望は富のシンボル。

そんなタワーマンションは、
成功者の証と言えるでしょう。

タワマンの定義は、高さ=60メートル以上・階数=20階以上です。
巷のマンションよりもはるかに高層です。

昔から「出る杭は打たれるが、出過ぎた杭は打たれない」と言われます。

建築構造上から見ても、居住者の年収から見ても、
“タワマン = 出過ぎた杭”と言えます。

しかし、この論理は国税組織には通用しません。
一度狙われれば、「出過ぎた杭も打たれる」という結末を
迎えてしまうのか?

昨年激震が走った裁決を契機に
「タワマン節税狙い撃ち」という国税組織の方針が
鮮明になっています。


節税はより高度な対策が必要に

タワマンに限らず、マンションを相続税対策で検討する際には、
今後は税理士だけでなく、プロの不動産専門家のサポートも
不可欠になりました。

なぜなら、今後は【実勢価格】が相続税評価の肝になるからです。

実勢価格の情報は、プロの不動産専門家が最前線。
信ぴょう性の高い情報を有しておられます。

外部ブレーンの知恵を借りながら、
相続税対策をかしこく進めましょう。



 


まとめ
従来の「タワマン節税」は封鎖されました。
今後は実勢価格が相続税評価の肝となります。
税理士×不動産会社のタッグを頼みに
かしこい不動産相続に取り組んでいきましょう。


 

税理士による「タワマン節税」封鎖のいきさつと新ルール解説

 当ブログを運営している三和都市開発は、
税理士との強力なタッグで
時代に応じた相続税対策
に取り組みます。

 


【当ブログ執筆者】

TFPグループ
税理士法人トップ財務プロジェクト
社会保険労務士法人トップ労務マネージメント
税理士 中小企業診断士 代表兼CEO  岩佐 孝彦

TEL/06-4796-7771  mail/ iwasa@tfp-j.com
公式サイト/www.tfp-j.com

 


 

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