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不動産相続のトラブルを税理士が分かりやすく説明いたします。
大型連休では帰省時に相続遺産の話題になることも。
今回は、ご家族が険悪な「争族」となってしまわないために、
注意するべき「不動産相続」について分かりやすく説明いたします。
目次
1. 実家に帰省、そのときに
2. 不動産分割が揉めやすく、しかも財産の大半を占める
3. 「自宅はあるけど、カネはない。」そんな時は要注意
4. 不動産を共有すると「争族」の火種に!
1. 実家に帰省、そのときに
今年のGW期間は実家に帰省するなど“家族水入らず”でお過ごしの方も多かったことでしょう。
JTBによれば、今年のGW期間中の国内旅行は過去最多で、
JR旅客6社の新幹線・在来線の指定席予約は前年比68%増だったとか。
新聞紙上では、高齢の父親に配慮して里帰りを見合わせていたが、
今年のGWは帰省により初めて初孫である長男を
父親に会わせることができたという微笑ましい光景が掲載されていました。
私(岩佐)のGWは、1751年創業の神戸灘の「福寿」の酒蔵にて
両親や妹夫婦を招き、親族一同の食事会を楽しみました。
「福寿」はノーベル賞授賞式の晩餐会にて提供される日本酒として有名です。
2012年ノーベル経済学賞を受賞された米国人のアルヴィン・ロス氏は
晩餐会で「福寿」の純米吟醸に魅せられて、わざわざ神戸灘まで足を運んだとか。
創業270余年の老舗でありながら、
日本酒界に新風を起こしたエネルギーに敬意を表します。
さて、実家で親族一同集まると、遺産相続の話し合いがよく行われますが、
「みんなで仲良く共有」という形で話がまとまることが多いです。
遺産分割は、意外と自由の利く制度になっています。
相続する方全員が納得すれば、どのような分け方をしても構いません。
2. 不動産分割が揉めやすく、しかも財産の大半を占める
わかりやすく遺産を丸いケーキ1つとします。
残された兄弟2人がこの遺産のケーキを分けます。
2人の間に問題が起こらなければ、どんなカットでも自由です。
きれいに半分にカットして山分けしてもOK。
また、8つに切って、5つは兄、3つは弟という配分でもOK。
1ダースにカットし、4つは兄、8つは弟という切り方でもOK。
しかし現実は、遺産はケーキのように簡単に分割できないことが多いです。
その代表が土地&建物(不動産)です。
マンションの一室に建築業者を呼んで、
部屋をバラバラに分割するなどという相続は困難でしょう。
国税庁による「令和元年度相続税申告実績」によれば、
土地27.3%・建物5.4%で計32.7%になっており、
不動産が相続財産の3分の1を占めています。
遺産の大部分が「自宅」というケースも少なくありません。
故人が老後を旅行等の趣味でお金を消費していたり、介護や医療にお金がかかり、
最後は現預金がほとんど残っていないという事例も多くあります。
「自宅はあるけど、カネがない」という相続の場合、
現実として実家の不動産はどのように処分すべきでしょうか?
3. 「自宅はあるけど、カネはない。」そんな時は要注意。
故人が遺言書を残していれば、優先的にその内容に従うことになりますが、
もし遺言書がなければ、相続人たちは話し合いによって
どのように実家の不動産を相続するかを決めることになります。
例えば、兄弟2人で実家の不動産を相続するとなれば、
以下の4つの方法が考えられます。
① 建物を壊して更地にし、
土地だけを等しい価値になるように分筆し、
兄弟が引き継ぐ
② 兄弟で不動産を共有して相続し、
売却して、その代金を分配する。
③ 兄弟で不動産を共有して相続し、
その不動産を貸して、家賃収入を分配する。
④ 兄か弟が単独で不動産を取得し、
その代わりに不動産を取得した方が対価として
現金をもう一方に払う。
この場合、兄弟それぞれが親元から離れ、別に自宅を持っていれば、
自分たちが実家に住んでいるわけではないので
スムーズに話がまとまる可能性が高いです。
しかし兄か弟かのどちらかが親と同居していた場合、
簡単にはいきません。
同居していた方はもちろん、「住み慣れた我が家が一番」ということで
今後も引き続き居住したい意向を持つでしょう。
親と同居していれば、生前から親の家計と同居人の世帯の家計が
きちんと分けられていないケースも少なくありません。
同時に、親の介護や看病などで苦労したことを理由に、
話し合いで有利な条件を引き出そうとするケースも出てくるでしょう。
すると、同居していなかった方が不満や不信を持つ場合もあります。
このことが相続が“争族”に変わるきっかけになります。
4. 不動産を共有すると「争族」の火種に!
遺産分割の話し合いというのは、必ずしも合理的な判断に基づくとは限りません。
先のことはあまり考えず、その場しのぎで「とりあえず」や「何となく」といった考えで、
相続トラブルの先送りのような形でまとまってしまうケースも
少なくないのです。
例えば、4人の兄弟姉妹が親の土地1筆を分ける際に
「誰か一人だけに名義をまとめると角が立つから、
とりあえず兄弟姉妹4人で均等に4分の1ずつ名義を入れておこう」とすると、
相続が“争族”になる火種となります。
実家の不動産の処分を含め、不動産に関する相続対策については
“争族”にならないように是非進めて下さい。
まとめ
不動産は相続遺産の中で大きなウエイトを占めるが、
同時に分割が難しく「争族」の原因になる可能性も高い。
特に実家を遺されて、その他の資産はあまり無い場合、
家族であっても慎重に協議しましょう。
本ブログを運営している三和都市開発は、 30年以上にわたり大阪を中心に不動産相続のご相談を数多く取り扱っています。 税務や法務のスペシャリストとも連携して日々取り組んでおります。 ぜひお気軽にご相談ください。なんでもお答えいたします。 |
【当ブログ執筆者】
TFPグループ
税理士法人トップ財務プロジェクト
社会保険労務士法人トップ労務マネージメント
税理士 中小企業診断士 代表兼CEO 岩佐 孝彦
TEL/06-4796-7771 mail/ iwasa@tfp-j.com
公式サイト/www.tfp-j.com
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