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阪神淡路大震災から30年 "その時、住宅ローンはどうなる?" 南海トラフ地震のリスクに備えお金の防災も考えよう
2025年は、1995年に起きた阪神・淡路大震災からちょうど30年の年になります。
この30年の間も、私たちは数々の大地震を経験しました。
つい最近でも宮崎県で震度5弱の地震が起き、
現地の方々は怖い思いをしたと思います。
地震の被害に遭われた方には、
心よりお見舞い申し上げます。
今回の記事では、被災者となってしまったとき、
住宅ローンの返済はどうなるのかを簡潔にまとめました。
(※被災者の二重ローン問題についての記事なども、現在制作中です)
目次
1. お金の防災知識も高めよう
2. 災害で住宅が被害を受けた場合の住宅ローンの支払い
・ 自然災害債務整理ガイドライン
3. 災害で収入が減ってしまった場合のローン返済の見直し
4. 家の再建のための借り入れ
・災害復興住宅融資
5. まとめ
1. お金の防災知識も高めよう
南海トラフ地震は、マグニチュード9.0に至る巨大地震になると言われていて、
これから30年の間に70%から80%の確率で起こると予想されています。
また、首都直下型地震についても高確率で起こると言われています。
...こんなことはもはや耳にタコができるほど聞かされているわけですが、
どこかで大きな地震が起こるたびに、遠方であってもヒヤッとさせられますね。
いつどこで被災するかは誰にもわかりません。
“防災セットは持ってるよ“ “避難所は把握してる“
そんな人は多いかもしれません。
では、お金に関してはどうでしょうか?
大きな地震災害では、家の損壊被害が大規模で起こります。
三和都市開発では、災害における“お金の防災“ “不動産資産の守り方“についても
知識を広めていきたいと考えています。
今回は、災害時の住宅ローンの取り扱いについてまとめました。
知ることで、お金の防災意識を高めていきましょう。
2.災害で住宅が被害を受けた場合の住宅ローンの支払い
住宅が被害を受け、住めなくなったとしても住宅ローンの支払いが免除されることはありません。
ただし、被災者認定を受けることで支払い条件を緩和してもらうことができます。
たとえば、通常時はローンの支払いが滞ると"延滞"扱いになり
督促がきたり、即日アウト(一括返済を求められる)になりますが、
災害時、返済ができなかった場合に、被災者認定を受けることで
"延滞"を取り消ししてくれます。
これはあとからの対応でも大丈夫ですので、
被災状況がいったん落ち着いてから手続きをすすめましょう。
災害の被害がかなり大きく、支払いが厳しい場合は、
金融機関は当面の間の元本据え置き(返済しない)についての相談にも応じてくれます。
自然災害債務整理ガイドラインについて
被災ローン減免制度ともいいます。
被災者が一定の要件に該当する場合に、すこしでも生活や事業を再建しやすいように
「破産」せずに債務整理を行う道がつくられています。
自然災害債務整理ガイドラインに沿った債務整理を望む人は、まずは借入先の金融機関に問い合わせましょう。
<利用できる人>
災害救助法が適用される自然災害によって被災した、個人または個人事業者の方で、
住宅ローンや自動車ローン、事業性ローンを返済できない人(または近い将来返せなくなることが確実と見込まれる人)
※その他にも細かな規則があります
<登録支援専門家の手を無料で借りられる>
ガイドラインに基づいて、金融機関と話し合いをすすめ、円滑に整理するために
国の補助によって弁護士などの「登録支援専門家」が無料で手続きをしてくれます。
<信用情報に傷がつかない>
破産手続きや、再生手続きとは違うため、個人信用情報として登録されません。
被災後のあらたな借入にも影響が及びません。
▶︎熊本地震の事例
熊本地震で自宅が全壊し、仮設住宅に入居した方で、
住宅を再建する場合、残高900万円の返済が困難になるおそれがあり、ガイドラインを利用して債務整理をおこないました。
・ガイドライン利用前
負債残高900万円(住宅ローン800万円・マイカーローン100万円)
資産:預貯金300万円、義援金80万円、被災者生活再建支援金100万円、土地350万円、自動車
・ガイドライン利用後
負債残高350万円 ...450万円減免されました
資産:預貯金300万円、義援金80万円、被災者生活再建支援金100万円、土地350万円
出典:金融庁・財務省九州財務局「平成28年熊本地震で被災された皆様へ」
自然災害時債務免除特約付き住宅ローンについて
金融機関各社で取り扱いがあります。
一例:SBI新生銀行...2017年から取り扱いを開始しました。被災時に住宅ローン返済の一部(全壊で24回分、半壊で6回分 等)が免除されます。
▶︎東日本大震災の事例
暴風雨や洪水で被害を受けた場合の返済特例が適用されました。
罹災割合による元金据置期間の延長や、元金据置期間の金利の引き下げ、
その利息分の支払い繰延べなどです。
3.災害で収入が減ってしまった場合のローン返済の見直し
返済の据え置き、返済期間の延長、返済額の引き下げなど、
返済方法の見直しができます。
返済額を引き下げる
返済期間を延長することで毎月の返済額を減らすことができます。
ただし、期間が延びる分、利息も多くなるため、全部の返済額自体は高くなってしまいます。
生活再建の目処がついた時点で、再度返済額を見直すことも可能です。
元金返済を据え置く
当面の間、返済額をできる限り少なくしたい場合、
金融機関に相談することで元金返済を据え置くことが可能です。
通常はこの間、利息のみの支払いになりますが、
住宅金融支援機構では、据え置き期間中の利息分を将来の返済に繰り延べる方法もあります。
これによって、据え置き期間中の返済額をゼロにすることができます。
民間金融機関においては個別対応となりますが、
まずは相談に行ってみることをおすすめします。
4.家の再建のための借り入れ
家がなければ生活の再構築は見込めません。
あらたに借り入れて家を再建したり、購入したい人のために、
住宅金融支援機構では、低金利の災害復興住宅融資が用意されています。
民間金融機関でも、災害復旧のためのローンがあります。
住宅金融支援機構の"災害復興住宅融資"について
災害によって被害を受けてしまった住宅の所有者または居住者で、
地方公共団体からり災証明書の発行を受けた場合に利用できる融資です。
一般の住宅ローンよりも低金利で借入することができます。
建設・購入資金の借入のための融資
災害によって、住宅が「全壊」「大規模半壊」「中規模半壊」または「半壊」したという旨の
り災証明書の発行を受けた人が利用することができます。
新築住宅なのか中古住宅なのかによって、融資限度額や最長返済期間は異なります。
また、すでに被災住宅の復旧が行われている場合は、原則として融資を利用できなくなります。
申込期間:原則としてり災日から2年間 ※おかれた状況によって例外があります
補修資金の借入のための融資
宅地被害を受けた旨のり災証明書の発行を受けた人が利用できます。
▶︎東日本大震災の事例
住宅に被害はなかったが、よう壁が損壊したという宅地補修についても
災害復興宅地融資を利用することができました。
これらの融資は、いずれも60歳以上の親のために借入する"親孝行ローン"で利用することもできます。
民間金融機関の融資について
民間でも、被災者向けの特別な住宅ローンを扱っている場合があります。
一定の金利の引き下げや、一定期間の元金据え置きなどで、
軽い負担にして利用してもらうものになります。
5.まとめ
・被災しても住宅ローンの返済義務はなくならない
・被災者認定を受けることで、支払い条件を緩和することができる
・自然災害債務整理ガイドラインを利用し、破産せずに債務圧縮できることもある
・災害が原因で収入が減ってしまったとき、支払い条件を相談することができる
・家を再建したり、購入したりするための特別な融資がある
今回は、被災したときに住宅ローンはどうなるのかについてお伝えしました。
今後も
・り災証明書を取得するためにやっておきたいこと
・災害によって住宅ローンと補修ローンが重なってしまう、いわゆる二重ローンになった時のこと
・火災保険、地震保険について
・通帳がなくなってしまった時のこと
など、災害時にお金や資産を守る知識をお伝えしていきたいと思います。
三和都市開発のブログでは、今後も地震や災害に備えるための記事をお届けしていきます。 |
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