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年代別対決! 支持政党vs相続の結果はいかに

年代別対決! 支持政党vs相続の結果はいかに

衆院選挙は自公過半数割れの結果となり
いささか議員の連嶺が若返ったような気がしますが、
岩佐税理士は「年代別傾向の違い」に着目して、
現代の相続問題へ切り込んだ記事を寄せてくださいました。

 


目次
1. 年代別に指示政党の差が出た衆院選挙
2. 相続の世界でも年代別の傾向に差がある
3. 2024年の税制改正を改めて確認しておこう
4, 次世代へのバトンをいつ渡すか


1. 年代別に指示政党の差が出た衆院選挙


国民民主党は30代以下の支持を増やし、
自民党は高齢者の支持をキープ

国民民主党は先日の衆院選挙で大躍進を遂げ、
「103万円の壁」という公約を掲げました。

野党であるにもかかわらず、
選挙終了後にスピード感をもってこの公約にスポットライトが当たっているのは
賞賛に値します。

しかし、玉木代表の女性問題に関する報道は残念でしたね。

……………………………………………………
世間の人は虎を、性欲の虎を放し飼いにして、
どうかすると、その背に乗って滅亡の谷に落ちる。

……………………………………………………

明治の文豪の森鴎外の言葉です。
自戒の念を込めて、お互い噛みしめるべき言葉です。


国民民主党は14議席を先日の衆院選挙で上積みしましたが、
朝日新聞によれば、特に30代以下の支持を大幅に増やしたとか。

前回の7~9%から19~26%になりました。

一方、自公過半数割れの結果に終わった自民党は、
20代で20%(前回40%)、30代で21%(前回37%)と若年世代で大幅に議席を減らしました。

しかし、70代で30%、80歳以上で37%(前回は70代以上で37%)と、
高齢層の支持は何とか繋ぎ止めたそうです。

このように先日の衆院選挙は、年代別に支持政党の傾向が顕著に出ました。

 

 

2. 相続の世界でも年代別の傾向に差がある

老老相続が増えている

実は相続の世界でも、年代別の傾向が顕著に出ています。
年齢の高い人どうしで遺産が受け渡される【老老相続】が増えているのです。

内閣府の2024年度の経済財政白書によれば、
遺産を相続する人のうち、60歳以上の割合は52.1%でした。

つまり、相続人の過半数が還暦以上です。

現役世代である50歳代は27.0%、49歳以下は20.6%で、
60歳以上よりも少ない割合になっています。

被相続人(亡くなっている人)は80歳以上が2019年に全体の7割となっており、
30年前と比べると1.8倍に増えました。

想定以上の長生きに備えたり、将来の経済見通しが不透明で子や孫の生活水準低下を防いだりするため、
遺産を残すケースも増えています。


各年代の貯蓄額にも差が

高齢世代における貯蓄残高は上昇傾向にあります。

2023年の貯蓄残高を世代別に見ると、70歳以上は前年比3.8%増の2,503万円でした。
全世代の平均は0.2%増の1,904万円で、高齢者の上昇率の方が高くなっています。

一方の若年層は持ち家率の高まりもあって、負債超過です。

2023年の40歳未満世帯の貯蓄は平均782万円と他の世代と比べると最も少なく、
負債は貯蓄の2.2倍の1,757万円になっています。

今後も高齢化が進み、【老老相続】の構図は強まる見通しです。

このような背景の下、高齢世代に滞留する資産の経済成長への活かし方が、
現在の社会課題になっています。

つまり、相続時よりも次世代へ早く資産を移転する必要性が高まっているのです。

 

 

 

3. 2024年の税制改正を改めて確認しておこう


贈与税の加算対象期間の延長

2024年も残り1ヶ月半ほどになりましたが、
今年に入ったときに相続税の税制改正が行われています。

最大の改正は【2024年1月1日以降の贈与は7年以内の加算対象になる】という点です。

2024年から7年間の贈与が加算されると聞くと、
「2024年に亡くなった人は2017年の贈与まで遡って加算されるのか?」と思う人もいらっしゃると思いますが、
そうではありませんので、誤解なきようお願いします。

・2023年12月31日までに行った贈与は、従前通り【3年以内の加算】
・2024年以降の加算期間の延長という改正が実際に影響を受けるのは、【2027年1月1日以降に発生する相続】から

 


相続時精算課税制度に年間110万円の 基礎控除の新設

改正前は、相続時精算課税制度を選択した年以降のすべての贈与財産を
相続財産に加算する必要がありました。

しかし今回の改正で基礎控除が新設されたことにより、
年間110万円までの相続時精算課税贈与は
相続財産に加算されない
ことになりました。

なお、この年間110万円の基礎控除は2,500万円の特別控除の対象外となるため、
相続開始前7年以内に贈与があったとしても、
相続時精算課税制度を選択していれば、年間110万円までは相続財産に加算されません。

 


 

 

4. 次世代へのバトンをいつ渡すか

「老老相続」に備え、相続税対策も考慮し、
次世代へ資産を【いつ・どのように】移転させるのか、年末を見据えながら今から十分考えて下さい。

先日の衆院選挙の結果を踏まえれば、
自民党支持層の多い高齢層から、国民民衆党の多い若年層に対する資産移転となりますね。

先行き不透明な政治情勢ですが、私たちは外部のノイズに惑わされることなく、
年末までにやるべきことにフォーカスしていきましょう。


 

 

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【当ブログ執筆者】

TFPグループ
税理士法人トップ財務プロジェクト
社会保険労務士法人トップ労務マネージメント
税理士 中小企業診断士 代表兼CEO  岩佐 孝彦
TEL/06-4796-7771    mail/iwasa@tfp-j.com
公式サイト/www.tfp-j.com

 

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