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あぶない"地歴" 〜過去の地目や所有者を調べてみよう〜
土地は、時を超え形を変え、
そして用途や所有者を変えて存在し続けています。
そのような"土地の歴史"のことを「地歴」といいます。
「地歴」を調べると、ときに地盤のゆるみや土壌汚染が心配な土地だと判明することがあります。
今回は、あぶない地歴の紹介と、地歴の調べ方についてお伝えします。
目次
1. あぶない地歴
2. 地歴の調べ方
① 土地登記簿謄本
② 古い住宅地図、航空写真
③ 閉鎖謄本(閉鎖登記簿)
④ 旧土地台帳
⑤ 工場などの届出の調査
⑥ 周辺住民への聞き込み
3. 売買を考えている方は不動産会社に相談を
1. あぶない地歴
土壌汚染、地盤沈下の可能性がある地歴
次のような地歴があった場合は、土壌汚染や地盤沈下の可能性があるため
専門機関へ調査を依頼することが多いです。
<土壌汚染の可能性がある地歴>
・クリーニング店だったことがある
・ガソリンスタンドだったことがある
・薬品工場だったことがある
<地下埋設物の可能性がある地歴>
・ガソリンスタンドだったことがある
<水害や地盤への不安がある地歴>
・田んぼだった ・畑だった
・かつて海だった ・湖だった
・井戸があった ・自然災害にあったことがある
心理的な不安がある地歴
以下のような地歴だったときは、売買や賃貸が難しくなる場合があるため
不安をとりのぞいたり、土地の扱い方を考える必要があります。
・墓地だった
・火事があった
・事件、事故があった
所有者や権利が複雑な地歴
過去に所有者がコロコロ変わっていたり、
権利関係が複雑に絡み合っているような地歴だった場合は
トラブルに巻き込まれる可能性があるため、
慎重になる必要があります。
2. 地歴の調べ方
① 土地登記簿謄本
地歴を調べるときは、まずはじめに「土地登記簿謄本」を確認します。
主に次のふたつの項目に注目します。
-1. 地目
土地の種類を23種類の名称で示しています。
地目をみることで、その土地がどのように使われてきたかを知り、
売買の検討材料にすることができます。
例えば、田んぼとして使われていたことがあった土地であれば、
地盤の調査が必要となるでしょう。
-2. 権利部(甲区)
その土地の所有者の氏名、住所が記載されています。
そのほかにも、所有権をいつ得たのか・売買で得たのか・相続で得たのかという履歴も
記載されています。
<取得するところ>
管轄の法務局
地目の種類
--不動産登記規則99条
不動産登記規則第九十九条 地目は、土地の主な用途により、田、畑、宅地、学校用地、鉄道用地、塩田、鉱泉地、池沼、山林、牧場、原野、墓地、境内地、運河用地、水道用地、用悪水路、ため池、堤、井溝、保安林、公衆用道路、公園及び雑種地に区分して定めるものとする。
② 古い住宅地図、航空写真
建物の有無や、かつてそこにあった会社名を調べることができます。
市町村の図書館では、江戸時代の古地図または平成以降の住宅地図は比較的みつかりやすいですが、
昭和の時代の地図などは手に入りにくい傾向があります。
<取得するところ>
・古い住宅地図…国会図書館、私立図書館、都道府県立図書館
・航空写真… 国土交通省、国土地理院のホームページ
図書館のほかには、埼玉大学の教授が運営している「今昔マップ on the web」でも
かなりの数の古い地図を、現代の地図と対比して閲覧できるようになっています。
③ 閉鎖謄本(閉鎖登記簿)
土地登記簿謄本より前の情報がまとめられたものが、閉鎖謄本です。
現在はのこっていない、滅失した建物の情報が見つかる場合があります。
電子化が進んでいる現代では、最新の土地登記簿謄本はインターネットで取得可能ですが、
コンピュータ化以前の古い閉鎖謄本は管轄の法務局に行かないと取得できません。
<取得するところ>
管轄の法務局
④ 旧土地台帳
明治22年ごろから昭和20年くらいまでの土地の所有者が示されています。
<取得するところ>
管轄の法務局
⑤ 工場などの届出の調査
土壌汚染対策法、水質汚濁防止法、下水道法などの届出を確認すると、
汚染物質を扱っていた地歴が判明することがあります。
<取得するところ>
市区町村役場など
⑥ 周辺住民への聞き込み
とくに郊外や地方、田舎などで地元住民の結びつきが強いところでは、
念入りに聞き込みをすることで思わぬ重大な情報を得られる可能性があります。
3. 売買を考えている方は不動産会社に相談を
購入や売却をお考えで、地歴のことが気になっている場合は
不動産会社に話を聞きにいってみましょう。
地歴を調べ、専門的なアドバイスを受けることができるでしょう。
また、調査が必要な場合も業者の紹介や検討の手助けが期待できます。
大阪での不動産売買業で30余年の実績のある三和都市開発なら、 これまでにつちかった情報をもとに、土地の歴史をひもとき、 堅実なアドバイスをお伝えいたします。 ぜひご相談ください。 |
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