- ホーム
- 三和都市開発のブログ
- 【戸籍謄本DX】 相続手続きの残暑のような疲れは来年なくなりそうです。
【戸籍謄本DX】 相続手続きの残暑のような疲れは来年なくなりそうです。
経験豊富な岩佐税理士も、
相続手続きは「どっと疲れる」…
しかし、来年度は政府によるDX化が進み、
書類申請もずいぶん楽になっていくことを
教えてくださいました。
目次
1. 残暑は疲れが出やすいです
2. 相続手続きも、どっと疲れる!
3. 相続に必要な手続きは時間がかかる!
4. 戸籍謄本の取得が本当にたいへん。
5. 朗報!相続手続きの負担減の流れ
6. マイナポータルを利用した電子交付
1. 残暑は疲れが出やすいです
体調に気をつけていきましょう
9月に入りましたが、日中の気温は30度をゆうに超える日が多く、
全国的に厳しい残暑が続いています。
夜になると、幾分涼しい日も出てきましたね。
この時期は残暑の疲れが出やすく、
体調不良も起こしやすくなります。
お互い十分気を付けていきましょう。
2. 相続手続きも、どっと疲れる!
遺産を受け取るまでがたいへん
さて、創業20年及び税理士登録27年の経験則から言えば、
残暑と同様、相続手続きが完了すると、
どっと疲れが出る方が多いです。
実際のところ、多くの方は相続手続きをなるべく早く終わらせたいと考えます。
「遺産を早く受け取りたい」「気持ち的に早くスッキリさせたい」と思うのは当然でしょう。
確かに法律上の考え方では、相続開始と同時に相続財産(遺産)を取得します。
しかし現実に相続人自身に遺産が入金されるのは、相続手続きを申請し、
それがすべて完了した時です。
特に被相続人の財産で暮らしていた相続人は、
当該遺産を早く入金してもらわなければ生活にも支障が生じるケースも
考えられるでしょう。
3. 相続に必要な手続きは時間がかかる!
具体的な手続きの時間は?
銀行・証券会社・法務局・税務署などに対して
必要な法的手続きを完了させるには、膨大な書類の準備が必要になります。
● 都市銀行や地方銀行の場合
相続手続きを申請してから3~4週間程度で手続きが完了します。
ゆうちょ銀行も完了までの期間は若干長く、
1~1ヶ月半程かかります。
●証券会社の場合
銀行よりも時間を要し、およそ1~3ヶ月ほどです。
株式の相続手続きに関しては相続人が証券口座を持っていない場合が多く、
その場合は口座作成にかかる期間も加えなければなりません。
●不動産の場合
法務局に対して相続登記を申請します。
登記完了予定日は、法務局のサイトを見れば確認することができますが、
大抵は申請して2~3週間を要します。
また、税務署に対する相続税申告書の期限は、
相続発生後10ヶ月後となっております。
その他諸々の手続きも必要ですので、相続手続きは本当に大変です。
すべて完了した時にどっと疲れができるのは当然ですね。
4. 戸籍謄本の取得が本当にたいへん。
戸籍謄本の取得方法
相続の手続きでは、必ずと言ってよいほど【戸籍謄本】の提出が必要です。
戸籍とは、日本国民が出生してから死亡するまでの身分関係(出生、婚姻、死亡、親族関係など)を登録し、
公に証明するものです。
現在は、一組の夫婦と姓を同じくする未婚の子を一つの単位として戸籍が作られています。
戸籍謄本とは、戸籍に記載されている事項の写しであり、
さらにその内容が原本と相違ないことを公に証明した文書なのです。
それでは、戸籍謄本はどのように取得するのでしょうか?
戸籍謄本は最寄りの市区町村役場に請求して取得します。
以前は、本籍地の市区町村役場に請求して取得する必要がありましたが、
法改正により、令和6年3月1日から本籍地以外の市区町村役場でも取得できるようになりました(戸籍証明書等の広域交付)。
但し、コンピューター化されていない一部の戸籍謄本や兄弟姉妹等の戸籍謄本は、
広域交付の対象ではありません。郵送での請求や代理人による請求もできません。
このような場合は、従来どおり本籍地の市区町村役場に請求する必要があります。
本籍地は現住所と異なることが多いため、あらかじめ確認しておきましょう。
本籍地がわからない場合は、本籍地の記載がある住民票(被相続人の場合は住民票除票)の写しを取得して確認します。
いずれにせよ、戸籍謄本の取得は大変ですね、、、(汗)
5. 朗報!相続手続きの負担減の流れ
ついに戸籍謄本取得もDX化
ただ朗報です。
8月21日付の日本経済新聞にこんな記事が掲載されました。
『戸籍謄本を電子交付、相続手続きの負担減へ 政府検討』
政府は相続手続きに必要な戸籍謄本などの戸籍証明書に関し、
全国の自治体で電子交付できるようにしました。
それによって、家族が死亡したときの相続手続きを巡る負担を軽減する方針とのこと。
提出先となる金融機関や法務局、税務署にデータで提出できる仕組みによって、
行政手続きのデジタルトランスフォーメーション(DX)を進め、
煩雑な手間を減らす構想があるそうです。
法務省とデジタル庁が連携し、すでに電子データ化された
およそ1億1000万件の戸籍を対象とし、パソコンやスマートフォンを使って
インターネット上で申請から交付までを完結できるシステムの整備を来年度に目指します。
6. マイナポータルを利用した電子交付に
戸籍謄本だけでなく、年金や児童扶養手当も
パスポート(旅券)の新規発行は2024年度中に、
行政手続きの個人向けサイト「マイナポータル」から申請し、
紙の戸籍謄本を提出しなくてもよくなります。
相続手続きの電子化の具体案はこれからですが、
同じような仕組みになる可能性があります。
電子交付ができるようになれば、市区町村の窓口に行ったり郵送したりする手間を省けます。
2022年に死亡した人は全国で156万人と前年比で9%増えました。
相続手続き用を含め、22年度に発行された戸籍証明書は前年度比5%増の4059万件にのぼります。
法務省によれば、戸籍証明書を電子交付している自治体はまだありません。
申請手続きだけなら、270ほどの自治体がマイナポータルなどを使ったオンライン申請を導入していますが、
全国の市区町村の15%程度にすぎません。
政府はこれまでも戸籍に関する手続きのDXを進めてきました。
具体的にはこちらの表のとおりです。
2019年に改正戸籍法が成立し、2024年3月から戸籍情報とマイナンバーの連携が可能になりました。
これらの新たな仕組みを活用し、年金や児童扶養手当の申請、結婚の届け出、
パスポート申請などで必要だった戸籍証明書の提出を順次不要とする方針です。
こうした動きは大歓迎ですね。
無用な疲れが出ないように、
相続手続きのDX(デジタルトランスフォーメーション)の最新の動きに
しっかりアンテナを張っておきたいものですね。
当ブログを運営している三和都市開発は、 税理士とのパートナーシップを持っています。 相続に関するお悩みや、不動産資産の悩みについて お気軽にご相談ください |
【当ブログ執筆者】
TFPグループ
税理士法人トップ財務プロジェクト
社会保険労務士法人トップ労務マネージメント
税理士 中小企業診断士 代表兼CEO 岩佐 孝彦
TEL/06-4796-7771 mail/iwasa@tfp-j.com
公式サイト/www.tfp-j.com
このブログを読まれた方におすすめの記事
<税理士 岩佐孝彦による寄稿ブログ>
▶︎マンションの光と影 ~相続税評価額&評価乖離率に注意~
▶︎【新紙幣】不動産だって交換できる!しかも無税で!
▶︎【争族の火種を取り除く】寄与分&特別受益とは?〜税理士による"もめない相続"のポイント解説〜
▶【確定申告】いくらで買ったのか、わからなくても粘りなさい!〜不動産譲渡の所得税〜
▶その"節税スキーム"本当に大丈夫?リスクの“選球眼” を磨け!
▶【2024年 不動産の相続登記が義務化】小林製薬 熱さまシート vs 不動産相続の冷却時間対決
▶︎[五月病]相続人不在の資産が"さすらいの旅"に出ないように 〜遺贈について〜
▶︎【不動産遺贈】 定額減税と同じくタイミングが命
<不動産の基礎知識から、法律に関する専門分野まで>
▶「おひとり様相続」法定相続人がいない独身者の遺産は誰に?
▶「空家」放っておくとどうなるの?〜空家等対策特別措置法〜
▶【一括査定】査定額の違い、どう判断したらいいの?安心売却の「買い取り保証制度」がおすすめ!