不動産の契約は、人生を左右することもある重要な場面です。
さまざまな準備をしてきても、契約前はやはり不安になるものです。

そんなときに頼りになる心強い神様が、日本にはたくさんおられます。

今回は、不動産契約のときにお参りしたい神様や"パワースポット"ともいえる神社をご紹介します。

目次
1. 土地を見守る神様
2. 方位除けの神社
3. 住居守護の神様
4. 厄災除けの神様
5. 導きの神様
6. 金運守護の神様
7. 不動産業に特化した神社
8. さいごの神だのみ

1. 土地を見守る神様

氏神 / ウジガミ

氏神様は土地に鎮座し、そこに住む人々がやすらかに暮らせるように
見守っている神様です。

もともとは「氏」という漢字があらわすとおり、
氏族・同族の間における「祖先の神」を指していました。

人の移動が当たり前になった中世以降は、
土地の神としての意味合いが大きくなっています。

土地の売買において「その土地に入る」または「その土地を出る」ということが起こるときは、
ぜひその土地の氏神様にご挨拶にあがるようにしましょう。

建築前の地鎮祭・上棟式でも、氏神様をお祀りして建築の許可と工事安全を祈願しています。

氏神の調べ方

土地の氏神様を知るには、最寄りの神社に聞くか、
都道府県の「神社庁」に相談すると教えてもらえます。

神社庁：全国の約8万社をまとめる神社本庁のこと

2. 方位除けの神社

方位除けとは

転居に良い方角、悪い方角など、方角の吉兆が占われることがあります。
簡単な方法だと「おみくじ」があります。

しかし、不動産の契約にあたっては「凶の方角」でも行わなければならないときがありますね。

そんなときは、方位除けの神社にお参りしたり、祈祷を受けると良いでしょう。
お札をいただいて家に奉るのも安心です。

方位の吉凶を求めるには「おみくじ」以外にもさまざまな方法があるので、
どういった方法で調べるのが一番かは一概にはいえません。

ですが、方位除けの神社へお参りすることをセットで考えるならば、
その神社に尋ねるのが良いといえるでしょう。

方位除けの神社
・寒川神社（神奈川県寒川町）
方位のみでなく地相、火葬、方位、日柄などについての災難をとりのぞく「八方除け」が有名です

・方違神社（大阪府堺市三国丘）
和泉・河内、摂津の三国の境にある「方位の無い土地」とされ、方角に係る災いが祓われるといわれます

このほかの神社でも方位除けの祈祷はしていただけますので、
身近な神社でたずねてみると良いでしょう。

3. 住居守護の神様

坐摩大神 / イカスリノオオカミ

イカスリノオオカミは、5柱の総称です。

5柱：生井神・福井神・綱長井神・阿須波神・波比岐神

土地または住居を守る住居守護の神といわれています。
元は皇居の建物を守る神として信仰されていました。

不動産の契約で、自分の"城" とも呼べる新しい家を手に入れた時は
ぜひお参りして「住居守護のお札」やお守りをいただきたいですね。

関連記事▶︎住居守護の神様「坐摩神社」ってどんなところ？現地取材しました!

ご利益
住居守護、旅行安全、安産祈願

神社
・坐摩神社（いかすり神社・ざま神社）（大阪府大阪市）

● なぜ "イカスリ" と言うの？
「居る所を知る」＝「居所知」または「以所知」＝「いかすり」...と呼ぶようになったそうです。

久久能智神 / ククノチノカミ

ククノチノカミは、柱や壁の木材などを司る木の神様です。

不動産を売却するために、思い出の家をやむなく解体するような時は、
これまで木材をお守りいただいたお礼をすることで気持ちも晴れ晴れとし、
開運にもつながることでしょう。

ご神格
木の神、林野の神、水の神、原野の神、開拓の神

ご利益
厄除け、国土開発、山林業守護

神社
・志等美神社（三重県伊勢市）
・公智神社（兵庫県西宮市）
・木宮神社（埼玉県児玉郡） ほか

● ご神木も守る
天上の神が降臨するときに寄り代となる"ご神木"の生命力を司っているのもククノチノカミです

4. 厄災除けの神様

地震の神様
建御雷神 / タケミカヅチノカミ

地震の神様として知られています。
地震を起こしていたという「おおなまず」を、
フツヌシノカミと協力して退治したという伝説があります。

契約した家や物件を地震の被害からお守りしていただくために、
タケミカヅチノカミがいる神社をお参りしてお札やお守りなどをいただくと心強いでしょう。

ご神格
地震の神、境界神、雷神、剣神、武神、軍神

ご利益
国家鎮護、武道守護、武道上達、航海平安、厄除開運、交通安全 など

神社
・鹿島神宮（茨城県鹿嶋市）
・牧岡神社（大阪府東大阪市）
・吉田神社（京都府京都市）

フツヌシノカミのいる神社でも地震除けのご利益があります。
・香取神社（千葉県佐原市）
・春日大社（奈良県奈良市）

その他、全国の鹿島神社や香取神社、春日大社など

● おおなまず伝説のスポット
鹿島神宮では、おおなまずを退治したときに頭をつらぬいた石棒をお祀りしています。

火の神様
加具土命 / カグツチノミコト

火の神様です。
イザナミから生まれ落ちたとき、その火によって母体を焼いてしまい、
父であるイザナギに殺されたという悲しい伝説があります。

その無念を果たすためでしょうか...、
カグツチノミコトは「火の神様」として祀られ、火伏せの神、火難除けの神として信仰されています。

不動産を契約するにあたり、火災が不安でしたら
カグツチノミコトをお参りしてお札などをいただくとよいでしょう。

ご神格
火の神、鍛冶の神、防火の神、陶器の神、温泉の神

ご利益
鎮火・防火、火難除け、郷土守護、金運向上、開運招福 など

神社
・秋葉神社（静岡県浜松市）
・愛宕神社（京都府京都市）

その他、全国の愛宕神社、伊豆山神社、火産霊神社など

● 愛宕神社のお札「火迺要慎 （ひのようじん）」
火伏せ札と呼ばれ、京都中の台所に貼られています。

治水の神様
賀茂別雷命 / カモワケイカヅチノミコト

雷神であり、治水神・農業神でもある神様です。

天候不順、晴雨のリズムを治し河川治水のご利益があり
桓武天皇の平安遷都の際には平安京の守り神ともされました。

不動産売買の契約の際、近くにある河川の氾濫などを不安に思う時は、
カモワケイカヅチノミコトをお参りし治水祈願をすることで心強くなるかもしれません。

ご神格
治水神、農業神、雷神

ご利益
諸災厄除け、祈雨・止雨、河川守護、産業守護、開運、農事守護

神社
・賀茂別雷神社 / 上賀茂神社（京都府京都市）
・賀茂神社（福井県福井市）
・加茂神社（高知県幡多郡）

その他、全国の賀茂（加茂）神社、雷神社、雷電神社など

5. 導きの神様

猿田彦大神 / サルタヒコオオカミ

ニニギノミコトという天上の神様が地上へ降臨する際に、
天と地の間にいて行先を導いたという伝説があり、"導きの神様"として信仰されています。

不動産の投資や売買などで人生を切り開いていきたいときは
サルタヒコオオカミをお参りし、導きの守護をいただくと、良い契約が結べるかもしれません。

ご神格
道の神、導きの神、国土の守護神、太陽神

ご利益
延命長寿、開運、交通安全、商売繁盛、殖産興業、災難・方位除け、縁結び

神社
・猿田彦神社（三重県伊勢市）
・猿田彦三河神社（愛知県額田郡）
・白髭神社（滋賀県高島市）
・大野湊神社（石川県金沢市）

このほかにも、サルタヒコオオカミを祭神とする神社は全国に2,000以上あります。

● 天狗と同じなの？
まるで天狗のようなイメージで描かれますが、もともとはサルタヒコオオカミ＝天狗ではありません。

6. 金運守護の神様

九頭竜 / クズリュウ

一つの体に9つの頭を持つ龍神で、とても神格が高い龍の王様。
雲雨を支配し、金運守護の神ともされています。

不動産相続や、資産運用などでは「財産を守る」ことが重要なポイントとなります。

良い相続や運用がおこなえるように、金運守護の九頭竜に祈願してみてはいかがでしょうか。

ご神格
水神、事業繁栄の神

ご利益
水の守護、金運守護、事業発展、昇進 など

神社
・戸隠神社（長野県） ※ここの九頭竜は梨が好物だそうです。
・箱根九頭竜神社 本宮（神奈川県足柄下郡）
・四天王寺庚申堂 九頭竜大権現社（大阪府大阪市）
・多田神社（兵庫県）
・九頭竜神社（京都府京都市）
・九頭竜神社（東京都西多摩郡）

このほかにも各地に九頭竜を祭神とした神社があり、九頭竜伝説もたくさん残っています。

● 滋賀県の三井寺の九頭竜伝説
天智天皇・天武天皇・持統天皇の三帝が産湯に用いたとされる霊泉が湧いており、
この霊泉に九頭竜が住んでいるという伝説があります。

7. 不動産業に特化した神社

不動産業の神様、国土神（クニノトコタチノカミ）を祀る

神奈川県相模原市にある「照天神社」は、
日本唯一の不動産の守護神をお祀りする神社だそうです。

以下にあるような不動産業にかかわることの祈祷、お祓いをしていただけます。

・不動産早期売却祈願
・早期完売祈願
・不動産開業祓い
・不動産業の繁栄祈願
・瑕疵物件、事故物件祓い
・井戸を埋めるお祓い
・稲荷社撤去のお祓い
・中古物件のお祓い
・競売物件のお祓い
・新築のお祓い
・解体のお祓い

祈祷やお祓いの出張は関東一円とされていますが、その他地域でも相談可能とのこと。
お札やお守りは、全国へ発送してくださるそうです。

8. さいごの神だのみ

「天佑自助」という言葉があります。
これは、「神様は自ら努力するものを助ける」という意味です。

たとえば厄災守護を祈願するときでも、
できる限りの防災や対策をとった上でそれでもまだ「何が起こるかわからない」から
神様に守ってもらえるようにお祈りする...

そういった気持ちが大事なのだそうです。

不動産の契約では、綿密な計画と専門的な知識、そして度胸が必要となってきます。

神様に祈願しにいくその前に、
信頼できる不動産会社に充分に相談して、できるだけのことをやり遂げておきましょう。

そして、さいごの "度胸" をいただくために神様をお参りすることで、
心強く不動産契約へとすすんでいけることでしょう。

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